どんぐりデンプン搾取講座

みなさまこんにちは。毎年恒例どんぐりクッキングのお時間です。


今年は趣向を変えて、実からデンプンを抽出しようと思います。
ジャガイモでしかやったことないけど、要は搾り汁の沈殿物を水にさらして乾かせばいい、はず。




まずはドングリの殻を割り、中身を取りだします。えぐみの少ないマテバシイを使用。
約180粒を割ったら、ちょうど500gありました。
フードプロセッサその他の容量の都合で、今回は60粒(170g弱)を調理します。


剥いたドングリは薄皮をとるべく、水に一晩漬けました。が、別に薄皮があっても支障ないことが後に判明。ただし、「搾りカスも料理したい!」という方は、丁寧に剥いてください。すり鉢で粉末にすれば、クッキーなどに使えます(去年のレシピ参照)。



次に、ドングリと少量の水をフードプロセッサにかけてどろどろにします。我が家のフードプロセッサではオートミール状が限界なので、適度なところで諦めました。
サラシで濾すと、写真のような豆乳色の液体がとれました。搾りカスは再度フードプロセッサに投入し、さらに粉砕します。



限界まで搾ったら、サラシで搾りカスを包んだまま、水の中で揉みます。にごった水の中にデンプンがあるので、うっかり捨てないでくださいね。
気が済んだら抽出作業終了。にごった水と搾り汁を混ぜて、しばらく放置します。



20分もすると、デンプンその他が沈殿します。写真では見づらいのですが、横からみると沈殿物が2層になっていました。下の白い層がデンプン、上の薄茶色い層は不純物です。
不純物の方は、上澄みを捨てるときに一緒に流れてしまうので、気にしなくて大丈夫。



というわけで、ボウルをゆっくり傾けて上澄み液を捨てます。デンプンはボウルの底にへばりついているので、神経質にならなくても平気。上澄みを流したら、綺麗な水を張ってかき混ぜ、再びデンプンが沈むのを待ちましょう。
写真は、この作業を3回ほど繰り返した状態。上澄み液はまだちょっとタンニン(渋み成分)の色が残ってますね。



まだ少しベージュがかってますが、風がないうちに天日干ししたいので、乾燥工程に移りましょう。と、その前にお遊び。


沈殿物をフォークでつつくと、ちょっと面白い現象がおきます。
見た目ペースト状なのに、フォークの周りだけ水分が抜けたように固まるのです。掬ってみると、デンプンのかたまりがゴボッと取れて、そのあとゆっくりペーストに戻っていきました。
こういう性質の物質のことを……何て呼ぶんだっけ……。
ウィキペディアダイラタンシーですよ!」



フォークやスプーンで掻き取って、バットなどの平らな容器に移します。ダイラなんとかのおかげで、既に乾いているように見えますが、実際はまだ湿ってます。
かたまりはフォークの背でつぶして、なるべく粉々にしておきましょう。このほうが早く乾きます。
天日干しして、完全に乾かします。



最後に茶漉しでふるい、粉末にしたら完成!
測ってみたら、きっかり50gありました。意外ととれるもんですね。
フードプロセッサによっては、もっとたくさんできるかもしれません。あるいはすり鉢で徹底的に砕くか…。



毒見味見のために、葛湯(?)を作ってみました。どす黒くなったらどうしようかと思いましたが、幸いにも淡い色。お味のほうは…
「おお、いい感じ」
えぐみも渋みもほとんどありません。白玉粉に混ぜて団子にしたり、わらび餅風にしたり、いろいろと使えそうです。


   


スプーンもお手製ですよ。ホオの木を彫りました。長さ12cm。