どんぐり染色レポート

ドングリからデンプンをとるときに捨ててしまう、搾り汁の上澄み液。もしかしたらこの液で染めものができるのではないかと思い、試してみました。



用意したハギレは左から、細かいドット柄の木綿、綿麻(リネン25%)の布、綿麻50%の糸。
白ではなくオフホワイト〜生成り色ですが、染色にはそれほど影響しないと判断しました。


大まかな作業手順は、以下のとおり。
 ①上澄み液を沸騰させてアクをとる
 ②布をいれて煮る→冷ます
 ③洗って媒染液にひたす
 ④洗って②の液で煮る
 ⑤洗って乾かす
適当でもなんとかなることは実証済みです。




まずはアクとり。熱を加えると、ミルクティー色(写真左上のペットボトル)だった上澄み液がカフェオレ色になりました。
ちょっと色が薄そうだったので、ドングリの殻も投入して、色素を煮出すことにします。
適当なところで殻を濾せば、染色液のできあがり。



……。
濾さなくてもいいや。布を入れちゃえ。
布「ムラになるからやめてー!」
このまま10分ほど煮ます。



煮たら、布を染色液に入れたまま冷まします。
布が薄茶色に染まりました。
水洗いして、媒染液にひたします。



媒染液というのは、色素を布に定着させるための液です。手作りできて安上がりな鉄媒染でいきます。
錆びた鉄釘を酢に浸して数日おき、その溶液を希釈しました。
希釈の目安は、液がレモンイエローになるくらい。超適当。
写真の色だと濃すぎかも。



まあいいや、投入!
みるみる布の色が変わっていきます。薄茶色だった布が、ねずみ色になりました。
想像してたより濃いです。
そしてボウルが小さすぎました。これは色ムラができるの必至です。
菜箸でぐるぐるかき混ぜて、全体に液が染みるようにします。



媒染液に10分ほど浸したあとは、しっかり水洗いして鍋に戻します。
ふたたび染色液での煮込みタイムです。
布から鉄分がにじみでるのか、染色液がどす黒くなってきました。
黒豆を煮た時の色に似ています。加熱したら紫色っぽくなった気が。
数分煮て、一回目と同様に冷めるまで待ちます。



染めあがった布を丹念に洗い、乾かして完成!
すこし紫がかった、濃い灰色になりました。もうちょい淡い色のほうが好みなんですが…。
逆にもっと濃くしたい場合は、最初に染める時間を長くしたり、染める→洗う→染める…を繰り返してから媒染液に漬ければいいはず。


   


布だけじゃなくて、爪の隙間も黒く染まりました。洗っても落ちない…。
「媒染液は素手でさわるな!」が本日の教訓です。



さて、次回はドングリ染め番外編。デンプンをとったときの搾りカスで染めてみたら予想外の工程になった、というお話しです。