今季のクワコさん

年に数度のイモムシ(クワコ)ネタです。
幼虫が苦手な方はUターン、もしくは悪寒に耐えながらご覧ください。



近所のマンションに、それなりに大きな桑の木があります。
樹高は4mちょいぐらい、勝手に生えてきたにしては青々と茂って、初夏には甘い実をたんまりつけます。

昨日、ヤモリ(ペットとしてニホンヤモリを飼ってます)の餌になるような小昆虫がいないかと寄ってみたら、枝にクワコの終齢幼虫が鎮座していました。
この街に引越してからの数年間で初めての発見だったので驚きましたが、その時は捕えずに帰りました。


クワコに限った話ではありませんが、幼虫がハチ・ハエ等に寄生される割合は、食草がふんだんにある林や公園よりも、1本だけ茂っているような畑の真ん中などの方が低いそうです。
例えるなら「都会の方が空き巣が多い」といった感じでしょうか。

この木の場合、150mほど先の小学校に大きめの桑が生えているものの、他は樹高1mくらいの細い木が点在するばかりで、クワコを見かけたことはありません。
はたして、昨夕のクワコは寄生されていたのでしょうか?



気になったので、昼頃にタッパーを持って向かいました。
結論。

「木が・・・伐採されてる・・・!」

あの幼虫は『虫の知らせ』を知らせるべく現れたのでしょうか。
マンションの管理人とおぼしき鋸を持った女性に事情を説明して、落とした枝を漁らせてもらった結果、なんとか終齢を1匹だけ確保できました。
正確に言うと、見つけてくれたのは桑を刈るべく現れた男性でしたが。

おじちゃん「探してるイモムシって、これかい?」
ひよまめ「あ、それです!」
おばちゃん「どんな虫なの?」
ひよまめ「(指を這うクワコを差し出し)これです」
おばちゃん「ぎゃあ!」

なんて一幕もありました。だからイモムシだって言ってるのに…。
ご協力いただきありがとうございます。そして、お仕事の邪魔をしてすみませんでした。


『虫の知らせ』をした個体と同一かはわかりませんが、この幼虫は今、私の横でもりもり葉っぱを食べています。
住処だった木は根元から伐られてしまったので、弟妹は星になりました。

寄生についてはというと。
あ。


これは駄目だ。卵が産み付けられています。
この卵、どうやっても落とせません。寄生者の意地が見てとれます。


ちょっと気になるのは、終齢で寄生された場合、繭を作れるのかということ。
前回育てた『ひかり』『こだま』は、若齢(初齢か2齢ごろか)に寄生→4齢でウジ脱出→終齢→繭を作って成虫になりましたが、今回の寄生者はどのタイミングで出てくるつもりでしょうか。
枝を丹念に調べても繭が見つからなかったことを考えると、蛹化する前に脱出するかもしれません。

観察するつもりですが、またあの切ない思いをするのか…。


おまけ。
イモムシ好きにはたまらない、クワコのおしりをどうぞ。
尻尾がピンと生えています。