偏光万華鏡

昨年、万華鏡を作ったときに言及した「偏光板と鉱石を使った万華鏡」が完成しました。
作り方も載せたかったのですが、技術上の改善点もありそうなので、今回は完成品のみのお披露目です。


今回の工作を説明するには、そもそも「偏光板とは何か」を解説しなきゃいけないのですが、私自身イマイチ理解できていないので、詳細は例によってウィキペディア参照のこと。
おおざっぱにいうと、偏光板とは「一定の向きの光だけを通すフィルター」のことです。
偏光板を見たことない方は、サングラスみたいな物体を想像してください(実際、一部のサングラスには偏光板を使用しています)。


こちらが作製した偏光万華鏡です。
ベースは百円均一の万華鏡を改造。おとっときの柄のマスキングテープをふんだんに使ってデコレーションしました。
直径3.2cm、長さ19.7cm。

万華鏡本体(鏡を仕込んだ部分)とカートリッジ(鉱石を入れた部分)は分かれており、先っぽのカートリッジだけ回転できるようにしてあります。

その先っぽ部分を取り外したのが下写真。
カートリッジ先端と、本体先端に偏光板が仕込んであります。


カートリッジ内部。
リチア雲母(写真右)の剥片が入っています。できれば自己採集した白雲母を使いたかったけれど、量が足らなかったのでブラジル産のを買いました。
鉱石と聞いてルビーや水晶みたいな塊を想像した方はごめんなさい。
水晶だといまいちうまくいきません(実験済み)。

さて、鉱石などの透明なものは、光を「屈折」させる作用があります。
水に腕をつっこむと曲がって見えたり、指が短く(または長く)見えるのも屈折のせい。
雲母の場合、結晶が薄い層になっているため、層の厚みによって光を様々な方向に散らします。

この雲母を2枚の偏光板で挟むと…虹色に!(詳しい原理は自分で調べてください)
背景が紺色〜紫に見えますが、これは内部の仕切りに使っているアクリル板が、光を半端に屈折させているせい。本来は灰色か黒色に見えます。

万華鏡を通して見てみましょう。
まるで薔薇窓。



参考までに、偏光板なしのバージョンもどうぞ。
鉱石そのものはほぼ透明なので、モノクロにしか見えません。

想像以上の出来栄えに、歓声を上げながら覗きまくりました。
構想20年(単に忘れてただけ)、作って良かった!
このあとアクリル製の鏡も入手したので、好きなサイズで完全自作もできます。

ちなみに材料費は600円くらい。その陰には涙なくして語れない苦労話もありますが、その話はまた別の機会に。だってネットだと高価いんだもん偏光板!