クリーム系

桜井準也『ガラス瓶の考古学』によると、われわれが「ハケ」と呼んでいる場所は考古学的には「近現代遺跡」というそうです。かっこいいなあ。


先週掘った神社のハケは、間取りから察するに、かつては「神社の隣家」だったようで、のちに土地が神社に寄付されたと思われます。したがってここは地域共同のごみ捨て場ではなく、ひとつの家庭から出たゴミが堆積した模様。


なので掘ったビンもたいして多くないのですが、その中からクリーム瓶をピックアップしてみました。


   


緑色のビンはたぶん糊のビンかと思います。
白いビンはアルミの蓋つき。掘りだすときに、うっかり熊手で穴をあけてしまいました。しかもへこんだ部分を直そうとしたら、「めきっ」と大破。蓋の中央に「Original POMADE」とエンボスされています。


残る3つは黒い色。ガラスが不足した戦時中は、いろんな色のガラスくずをかき集めて作った黒いビンが流通したといいます。
でも、もしかしたらデザイン上の理由でわざと黒で作った容器なのかも…。



左のビンは、厳密には濃い赤茶色で、光に透かすとマーブル模様(茶筋)が見えます。
底には「パパヤ」のエンボス。「パパヤ化粧料本舗」という会社が戦前にあったようなので、そこの商品かと思います。




右奥のビンにも底にエンボスがあります。小文字の「f」かと思いましたが、あるいは「S」と「U」(または「n」か「C」)を組み合わせたロゴかもしれません。
はたしてどこのメーカーなのか…。ご存じの方がいらっしゃったら、ご一報ください!