医療ルポ(?)当日編

そういえば、なぜ内視鏡検査を受けることになったのか説明するのを忘れていました。
私は潰瘍性大腸炎という病気で以前から通院しており、今回の検査は炎症の程度と範囲を確認するのが目的です。
炎症の範囲が広いひとは、発症してから年月が経つと発がんリスクが高まりますが、私は軽症の部類なのでそこまで心配はいりません。


さて、内視鏡検査の続きです。
病院で受付をし、あらかじめ記入した問診票(服用薬や既往症、今朝の便通など)を提出して検査室に入ります。
待合室には、同じ検査を受けるひとたちの群れが。私が一番若く、60歳以上の方が多いようです。みんな、がん検診が目的とのこと。

検査は9時から始まりました。看護師さん(厳密には看護師補助の方ですが、見わけがつかないので「看護師さん」で統一します)が、にこやかな笑顔で下剤のボトルを配ってくれます。

下剤…もとい洗腸剤『ニフレック』は、2リットルあります。
これを30分おきに紙コップ3杯(約400cc)ずつ飲み、トイレに通って腸内を空っぽにするのが午前中の作業です。
ニフレックの味は、あえて言うなら「スポーツドリンク+微量の洗剤」味。舌先は騙せても、喉が「異物」と認知してシャットアウトしようとします。

「運動しないと腸が動きませんからねー。コップ3杯飲んだら、とっとと院内を散歩してきてくださーい」と看護師さんに部屋を追い出されたりもします。
ニフレックを飲みだしてから40分経っても便通がないひとには、湯たんぽが渡されてました。ちなみに私は30分後に初トイレです。
それでも出ない人はどうするのかな…と思っていたら、看護師さんの「じゃあ、浣腸しましょーかー」という明るい声とともに、爺ちゃんが連行されていきました。そういうことらしいです。

ニフレックを全量飲み、トイレに10回前後行って腸内がキレイになれば、前処置は終わり。水分補給をしながら検査を待ちます。


前回のとき「検査中は麻酔したほうがいい」と言われたので、今回試すことになりました。
説明によると、麻酔というより睡眠薬のようです。
「効き目は個人差がかなりあります。問題なのは効きすぎちゃった場合で、血圧が下がりすぎたり呼吸が止まるリスクがありますけど、どうします?」
という怖い説明も聞きましたが、
「(ブログのネタになるので)使用してください」
とお願いしました。


さて、いよいよ検査です。
お尻に穴の空いた服に着替え、点滴をしてもらいます。
私の腕を見た看護師さんが不安そうな顔をしたり(血管が細かったらしい)、針を刺した後で「やべっ!」って顔をしたり、直後に目の前が真っ暗になり気持ち悪くなったりしましたが。
看護師さん「今まで血液検査や点滴でこうなったことあります?」
ひよまめ「いや初めてです。」
絶食と下剤のせい、ってことになりました。
(点滴の薬液を入れる前の出来事なので、アレルギー症状ではないです。)

2014年5月25日追記:この症状は「血管迷走神経反射」と呼ばれるそうです。ちょっとした怪我や精神的ショックで倒れちゃう、少女マンガによくあるアレのこと。


貧血を起こした時にベッドに寝かされたので、そのままゴロゴロと検査室に運ばれました。こんにちは先生、よろしくお願いします。
薬が効きすぎたときのために、血圧計と血中酸素を測るクリップを手に付けられます。
「じゃ、眠くなる薬をいれますねー」
視界の隅で、点滴のカテーテルに注射をするのが見えました。
よかった、直接腕に注射するわけではなかったです。

数秒たつと、不意に目の焦点があわなくなり…

…それだけ。
あれ、効いてないよ? 意識はっきりしてるんですけど。うお痛い。
内視鏡とともにお尻から空気を入れられるため、おなかが張って炎症部分が痛いです。
仕方がないので、モニターに写った自分のハラワタを見て全力で気をそらしました。


検査後は薬が切れるまで1時間ほど寝っ転がって過ごし、その後トイレにこもって大腸内の空気を抜きます。
便座に座ったら大きく息を吸って止め、おなかをグッと押しつつ前かがみになると、比較的すみやかにガス抜きできますよ。保証はしませんが。

もとの服に着替えて医師の診察を受けて、4時すぎに検査が終了しました。
検査結果は「前回と変わらないですね」。うーん、良いのか悪いのか。使う薬の頻度を変えて、ひと月ほど様子を見ることになりました。


検査後の食事はガスが抜けてからするように、とのこと。
また、薬の影響で目の調節機能が低下するそうなので、車や自転車の運転は禁止です。
「下剤使ったので、多めに水分を摂ってくださいね」
水分もだけど、脳が糖分を欲しがってやみません。コンビニに直行して、ホットレモネードを買ってしまいました。


感想。
ニフレックのまずさは相変わらず。
麻酔(睡眠剤)が効かなかったのが衝撃でした。でも「しないよりマシ」だったかなあ。次回はどうしたものか、悩むところです。