ヒメシロコブゾウムシの貴重な産卵シーン

表題のとおり、本日は虫ネタです。
ヒメシロコブゾウムシはどこにでもいる普通種ですが、ネット検索では意外と卵写真が見つかりません。ちょうど産卵を見かけたので、この機会に記録しておこうと思います。



春に育ててたイモムシ達は寄生虫にやられてしまったり、長らく飼ってたクロカタゾウムシも相次いで寿命を迎えてしまったりで、現在うちにいるペットはヒメシロコブゾウムシの『しらたま』だけです。

ヒメシロコブゾウムシは玄関先のオカメヅタで細々と繁殖しているらしく、雨の日などに姿を見かけます。


               \ やあ /


とろい・飛べない・ド普通種、と三拍子そろった「採りやすい虫」です。食草のオカメヅタもこれまた萎れにくい植物なので、空き瓶に適当に活けておけばOK。飼いやすい虫です。

つまんで持ち帰りました。


写真が黄色っぽいから薄汚れてますが、白い虫です。
交尾しようとしてたので、上側がオスで下がメス…ですが、見比べても判別方法がよくわかりませんでした。上の個体より小さなメスもいます。


食草を採りにいこうと目をはなした隙に、さっきのメスが産卵を始めていました。
二ツ折りにした葉の隙間にお尻を突っ込んでいます。
葉を畳む瞬間が見られなかったのが残念。姿勢から察するに、脚で葉を挟んで折るようです。
それにしてもオスが邪魔。


おまえはちょっと寝てろ! というわけで、写真を撮る間はオスに擬死しててもらいました。
個体差がありますが、彼らに触ると死んだふりをします。


改めてメスを観察。
お尻から茶色い産卵管を伸ばしているのが見てとれます。
後述しますが、卵と一緒に分泌物を出して、葉を接着しているはずです。


さて、こちらが産卵済みの葉っぱ。
ぴったり糊付けされていて、外からは卵があるとはわかりません。


ぺりぺり剥がしてみました。
長さ1mmくらいの卵が40個ほど産みつけられています。


参考までに、別の卵もどうぞ。
こちらは2枚の葉っぱをくっつけています。


卵塊の周囲にある膜のようなものが、「糊」の残骸です。
水をつけても粘着力が戻ることはなく、再接着はできませんでした。ゴメンね。


今回の参考文献はこちらです。
林内で栽培している薬用ニンジンを加害するヒメシロコブゾウムシ成虫の発生消長と飼育条件下での産卵特性

これによると、卵は2週間ほどで孵化し、幼虫は根っこを食べて成長するようです。
幼虫の生態も気になりますが、玄関先のオカメヅタは金網に囲まれてるので掘り起こせません。
他に発生してる場所を見つけたら調べてみようと思います。


余談。
ひよまめ 「しらたまが1匹、しらたまが2匹、…」
いそはえとり 「えっ、『しらたま』ってヒメシロコブゾウムシ全体を指す言葉なの?!」

飼ってるヒメシロコブゾウムシは全員『しらたま』という名です。