内視鏡リポート

せっかくの機会だから内視鏡検査の体験談をつぶさに語ろうと思ったのですが、ウンコの話に終始しそうなので適宜端折ります。
下部(大腸)内視鏡検査に関心のある方は参考の一助になれば幸いです。
40歳すぎると大腸がんのリスクが増えるので、健康なひとも検査したほうがいいですよー。



検査前日の夕食は、粥と鶏ガラのスープ(具は豆腐)にしました。野菜や肉は避けるように、とのことです。
朝はお茶のみ。朝9時ごろに病院に行くと、2リットル入りのボトルを持った看護師さんが笑顔で迎えてくれます。


「じゃ、30分ごとにこの水薬をコップ3杯ずつ(400〜500ml)飲んでくださいね。少なくとも毎回10分以内に飲みきってください。2時間で全部飲みほしましょう」
恐怖の下剤タイム開始です。私はこれが苦手。


正確には下剤ではなく洗腸剤(薬品名:ニフレック)といいます。胃や腸で吸収されない液体で、飲んではトイレで出し、大腸の内側をきれいにしていきます。
味はレモンが香るスポドリ風味。最初の一杯は苦もなく飲めます。
ただ、そのうち喉が「これ食べ物じゃないよ!」と主張しだすので、最後の30分は涙目でした。意志に反して喉がぎゅっと締まるあたり、体の防御機構ってすごいなあ。
でも、…他の患者さんはけっこう普通に飲みほしてるんですよね…。私だけ?


とにかく飲みほして、何度もトイレに行き、排泄物が水分だけになったら前処置完了。
お尻に穴のあいた内視鏡専用の服に着替えて、検査の順番を待ちます。ひとによっては、点滴を受けながら検査するようですね。管をつけたオジサンが前を横切っていきます。


検査室に入ったら、中央のベッドに横たわり、あとはされるがまま。
「大腸の緊張を和らげる注射を肩にしますねー」
「左側を下にして寝てくださーい」
「おしりにゼリー塗りますよー。冷たいですよー」
「はい力ぬいてー」


内視鏡検査は自分からもモニターが見えるので、けっこう面白いです。超音波だと何が映ってんだか説明されないと分かりませんけどね。
「直腸に炎症がおきてますね。上のほうはきれいです」
おー、自分の内臓ってこうなってるのか…。病変がない箇所は、血管がレース状に透けて見えます。


スコープと一緒に空気が送り込まれて圧迫されるので、途中からちょっと苦しくなります。スコープの先じゃなくて、炎症が起きてる直腸が痛い! せ、先生待って、もうちょいゆっくり…!
「次回から麻酔したほうがいいですね。ひよまめさんの大腸は特殊な形をしてて内視鏡が入りづらいんで、どうしても痛いと思います」
そうなの!? まさか大腸まで性格同様変わってるとは…。


このあと炎症部分の組織を採取して検査終了。大腸には痛点がないので、組織をむしられても痛くありません。
注射(薬品名:ブスコパン)の副作用で、口のなかがカラカラです。目がチカチカする人もいるそうですが、私はなりませんでした。どちらにせよ一時的な問題です。


医師の所見や投薬の説明を聞き、部屋を出たら、トイレにこもってガス抜きをします。うーん恥ずかしい音が。ま、不可抗力です。
なかなかガスが出ない人もいるようで、看護師さん相手にオジサンが駄々をこねてました。今日はオジサンの患者さんが多いなあ。


最後にもっぺん看護師さんの説明を受けて、おしまいです。食事は検査後1時間くらいしたらOKだそうで。おなかの張りが落ち着く前に食べると吐いちゃうそうですよ。


ああ、おなかすいた。検査中は痛かったり苦しかったりした気もしますが、終わってしまえばケロリです。
定期健診などで特に病変のない人は、もっと楽なのかもしれませんね。あと腸の形がふつうの人も。
…まさか内臓レベルで変人だとは思ってもいませんでした。