ヒナゲシ染め

記事にするタイミングがずれてしまいましたが、少し前まで、いたるところにナガミヒナゲシが咲いていました。
近年増えている外来種で、とにかくたくさん種を散らすので、駆除が難しい植物です。

ふと、花弁で染めものができるのではないかと思いたちました。


熱を加えると変色しそうな気がしたので、常温で色素を抽出する方法を考えます。
藍染めのように、発酵させて色素を得る方法があるそうなのですが、うまくいく自信がなかったのでアルコールに浸しました。

空きビンに花弁をぎゅうぎゅう詰め、そこらへんにあったエタノールを注いで数日。
ワインレッドの液体になりました。

これを適当に水で薄め、編み上げたばかりのレースを投入。


適当に放置して、染まったら適当に洗い(しっかり洗うと色落ちします)、適当に乾かして、適当に完成。
チョーカーに仕立てて、オダサガ文化祭につけていきました。

染色後に、ナガミヒナゲシに含まれる色素は何なんだろうと調べていたら、ポピー(シベリアヒナゲシ)染めに関する論文を見つけました。

ポピーの花弁から得たアントシアニン系色素による絹布の染色―抽出方法および前処理の影響―
ポピーの花弁から得たアントシアニン系色素による絹布の染色―染色温度・時間および洗浄剤の影響―

ナガミヒナゲシの色素については判らず終いなので、この論文の内容がそのまま適用できるかは不明ですが、工夫しだいでもっときれいに染められそうです。


試しに、抽出液に酢を入れて酸性にしてみました。
左が入れる前、右が入れた後。もとの花弁の色に近い、オレンジ色になりました。

染めた糸の比較…は、写真だとあまりわかりませんね。
酸性の液で染めた方が、わずかながら鮮やかなベビーピンクになりました。

花のシーズンは終わってしまいましたが、抽出液がまだ少し残っているので、いつか羊毛か絹を染めようと思います。