げーじつの秋

友人らに誘われて、『北原照久の超驚愕現代アート展』を観にいってきました。おもちゃコレクターとして知られる人ですが、現代美術もたくさん所蔵してるんですね。うらやましい…。
美術館にしては珍しく、一部の作品を除き撮影可能だったので、いくつか写真におさめました。ほとんどが手ブレして使いものになりませんでしたが。



入館したとき、折よくキネトスコープ・オートマタ(自動人形からくり箱)制作者の武藤政彦氏によるトークショーが行われており、一番良い席で観ることができました。



電源を入れると音楽とともに人形が動き出し、物語の一幕を演じるという仕掛けです。これに作者本人の芝居がかった口上が加わることで、パフォーマンスとして完成するようです。


「はるか未来、ひとびとは宇宙に進出いたします。学校、病院、あらゆる施設が作られ…そして娯楽を楽しむダンスホールも。ビッグバンドが奏でるのは、懐かしき20世紀の音楽。トランペットの調べに身をゆだね、ひとびとは古き時代に思いを馳せます…それではお聞きください、SATELLOTE CABARET!」みたいな感じ。


思わず噴きだてしまったのが、『CANTATE DOMINO』の上演。「ではスイッチを入れて…あれ、スイッチどこだっけ」「(小声で)動け、がんばれ!」
このひとボケだ! しかも天然だ!




今回の展示で一番観たかったのが、鴨沢祐仁のイラストレーションです。
学生のとき、古本屋で買った松岡正剛ルナティックス―月を遊学する』に彼の漫画『クシー君の発明』が紹介されていて、ずっと気になっていたのです。もっともコミック自体は図書館で読みましたが(…なんでこんなマニアックな本があったのか、おそるべし厚木市中央図書館)。


まさか北原照久氏がグッズの版権も持ってたとは。関連商品の数々も展示されていました。
晩年の作品はタンタンみたいな可愛いイラストだけど、初期の稲垣足穂チックな少年画の方が好みです。




他にも50cmくらいあるブリキのバッタ(山下信夫『GRASS HOPPER』)やら、筋肉むきだしのバニーガール(木下雅雄『BUNNY』)やら、変な物体がたくさんあって面白い展示でした。


横尾忠則のポスター画がかすんで見える展覧会ってのもめずらしいかも。