測量野帳

外出先でのメモやデッサン用ノートに、コクヨ測量野帳を使っています。
丈夫な表紙と糸綴じ製本のおかげで、立ちっぱなしでも作業できてとても便利。3mm方眼という細かい罫線も、慣れると便利です。

難点があるとすれば、手持ちのポーチ(のポケット)に入るギリッギリのサイズだということ。入らなくはないけれど、そのうちポケットの布が破れそうです。
改造しましょうか、ポーチじゃなくて測量野帳の方を。


専門用語は( )でくくって説明しましたが、分かりづらかったらごめんなさい。
各部名称の図解を、後日載せておきます。



①まずは表紙と中身(表紙以外:つまりノート部分)を切り離します。
見返し紙(表紙の内側に貼ってある紙)をうまくはがせれば良いのですが、なかなかそうはいかないので、カッターでざっくりと切断。
中身にくっついた見返し紙のノド(綴じてある側)は、ハサミでまっすぐ切り揃えます。


②新しい見返し紙を貼ります。
今回は薄茶色の紙。二つ折りにした見返し紙のノドにだけボンドを塗り、中身にくっつけます。

もともとついてた見返しは、中身にくっついたままです。
標題紙(タイトルのページ)っぽく文字をいれてもいいし、遊び紙(単行本によくある、標題紙の前のページ。変わった紙を使ってたり、凝った印刷がしてある)としてそのまま放置しても。


③中身をカットします。天地(上下)を1cm詰めました。
重なった紙を切るときは、力を入れるとかえって真っ直ぐ切れないので、何度も刃をすべらせてカットします。


④ノドに寒冷紗を貼ります。
寒冷紗というのはガーゼみたいに目の荒い布。ただしガーゼと違ってハリがあります。綴じてる部分に貼ることで、ページが破れにくくなります。写真左の、筒状に丸まってる白い物体が寒冷紗です。
…ノートには貼らないんですけどね、普通。


⑤この際だから(?)、普通はノートにない「花ぎれ」もつけちゃいましょう。
お手持ちの単行本をご覧ください。本を真上から見ると、背表紙とノドの間に布の帯があるのが判りますか? これが花ぎれです。

作り方。
ボンドをつけたタコ糸をハギレでくるみ、断面が数字の「9」みたいになるように貼り合わせます。
これを本文の厚みにあわせてカットし、背の天地(上下)に貼り付けて完了。
本来はタコ糸ではなく、こより(和紙)を使います。さらに言えば、本当の花ぎれはハギレを使うのではなく、中身の縁を糸でかがって作るのですが、現代の製本ではめったにやらないようです。


ちなみに完成形はこんな感じ→
なんでわざわざ花ぎれを付けたのかというと、野帳の罫線(水色)と表紙(ベージュ)の色の相性が悪かったので、どこかに差し色が欲しかったのです。
見返し紙を深緑や群青にすれば問題なかったかもしれませんね。材料は計画的に選びましょう。


⑥さて、次は表紙です。
①で剥がした表紙のサイズをもとにボール紙を切り、表紙用の紙に貼ります。③で本文の大きさを変えたので、天地を1cm短く切るのをお忘れなく。

ボール紙を貼る前に表紙の紙をカットすると、「ボール紙を貼ったら余白が1mm足りない!」なんてことになるのでご注意を。紙の厚みなどが原因で、意外と誤差がでます。

今回は紙ではなく、「なぜか持ってた」麻の製本用クロスを使用しました。お手持ちの布を表紙にしたい場合は、裏に薄手の接着芯を貼るといいです。本格的にやるなら和紙を裏打ちしますが、かなーり面倒だし技術も必要。私はうまく出来ません。

折り代を天地(上下)→左右の順に折って貼り、表紙の完成です。表紙の段差部分にくっきり折り目をつけましたが、ここは好みでつけなくても。



⑦それでは本文と表紙をくっつけます。
開いた表紙の上に本文を置いて、片方の見返し全面に糊を塗り、



そっと表紙を閉じて上からおさえます。



あっ…、ちり(表紙の、本文よりでっぱってる部分)の幅が天地で違ってしまった…。
やりなおせないので諦めました。


反対側の見返しも同様に。これで完成です。


見返しを貼る方法、ちょっと考え直さないといけませんね。
背表紙にも芯(ボール紙)が貼ってある本しか作ってこなかったので、今回のような作りの製本は初めてだったのでした。
普通の製本の場合は、まずミゾ(背表紙と表紙の間のへこみ)にボンドを塗って本文のノドと接着し、それから見返しを接着します。


気を取り直して、こちらが生まれ変わった測量野帳
表紙に白百合のワッペンを貼ってみたら、なんともお上品な仕上がりに。
まさかこのノートにイモムシの絵が描き殴ってあるとはだれも思うまい!